玄米と白米はこんなに違う
玄米は白米と成分も味もぜんぜん違う
玄米は白米と比べると、体に良い成分がたくさん含まれています。その効果も抜群で、大勢の人が実感し、継続しています。しかし、玄米の味は白米と違い好き嫌いが分かれるものです。玄米をより美味しく食べて、丈夫な身体を育みましょう。
玄米とは精白していない完全食に近い食品
玄米とは稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を取り除いたものです。
籾殻を取り除いたあと、精白したものが白米です。
玄米を精白するときに取り除く表面の部分がいわゆる糠(ぬか)です。
籾(もみ)から籾殻(もみがら)を取り除くと玄米になります。
イネやムギ、ダイズなどを茎からはずすことは脱穀(だっこく)と言います。
籾殻(もみがら)をはずす作業は脱稃(だっぷ)と言いますが、脱稃を含めて脱穀と言うこともあります。
籾殻は燃料や燻炭(くんたん)として利用できます。燻炭は土壌改良剤として役に立ちます。
近年は、籾殻を加熱圧縮した固形燃料のモミガライトやバイオコークスなど、燃料としても利用されています。
玄米の成分
玄米の果皮と種皮には、脂肪、たんぱく質、セルロース(食物繊維)があります。
セルロースは他の食物の消化吸収を助け、腸の働きを促進するので、便秘の改善などに役立ちます。
また、セルロースは腸内細菌の作用でビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12などに生合成されます。
玄米の胚芽にはビタミンA、B1、B2、B6、B12、ニコチン酸、パントテン酸、ビタミンE、葉酸などが含まれています。
そのほか玄米には、ガンマオリザノールやイノシトール、フイチン酸などは、毒物や公害物質を対外に出したり、内臓機能や脳細胞を活性化させる働きがあります。ガンマオリザノールやイノシトールなどサプリメントで販売されている成分が手軽にとれます。
玄米はビタミンA、ビタミンC、カルシウムこそ微量しか含まれていませんが、類をみない完全食に近い食べ物です。
白米とは玄米から果皮と種皮と胚芽をとったもの
白米とは玄米から、果皮、種皮、胚芽を取り除いて、胚乳(はいにゅう)だけになったもののことです。
下の図で、いちばん外側の籾殻だけを取り除いたものが玄米です。そこから果皮、種皮、胚芽を削いだものが白米、または精米です。胚芽をとらずに残した胚芽米というものもあります。
白米などの炭水化物が血液を酸性にすることは知られていますが、果皮や胚芽が削がれた分、栄養を他の食品からとらなければなりません。
その結果、食べ過ぎてしまい毒素として体内に溜まって肥満や病気になりやすくなってしまいます。
玄米と白米(うるち米)の100g当たりの成分比較
成分項目等 | 玄米 | 白米 | |
カロリー、食物繊維、他 | エネルギー | 350kcal | 356kcal |
水分 | 15.5g | 15.5g | |
たんぱく質 | 6.8g | 6.1g | |
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 5.9g | 5.1g | |
脂質 | 2.7g | 0.9g | |
トリアシルグリセロール当量 | 2.4g | 0.8g | |
炭水化物 | 74.3g | 77.1g | |
灰分 | 1.2g | 0.4g | |
食物繊維 | 3.0g | 0.5g | |
ビタミン | ビタミンE | 1.2mg | 0.1mg |
ビタミンB1 | 0.41mg | 0.08mg | |
ビタミンB2 | 0.04mg | 0.02mg | |
ナイアシン | 6.3mg | 1.2mg | |
ビタミンB6 | 0.45mg | 0.12mg | |
葉酸 | 27mg | 12mg | |
パントテン酸 | 1.37mg | 0.66mg | |
ビオチン | 6.0μg | 1.4μg | |
ミネラル | ナトリウム | 1mg | 1mg |
カリウム | 230mg | 89mg | |
カルシウム | 9mg | 5mg | |
マグネシウム | 110mg | 23mg | |
リン | 290mg | 95mg | |
鉄 | 2.1mg | 0.8mg | |
亜鉛 | 1.8mg | 1.4mg | |
銅 | 0.27mg | 0.22mg | |
マンガン | 2.06mg | 0.81mg | |
セレン | 3μg | 2μg | |
モリブデン | 64μg | 69μg |
※表は文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂) 穀類から抜粋したものです。
うるち米ともち米の違い
うるち米ともち米は、アミロースとアミロペクチンの割合が違います。アミロースが多いとパサパサした食感になり、アミロペクチンが多いと粘りが強くなります。
うるち米はアミロースとアミロペクチンがおよそ2:8なのに対して、もち米はアミロースがなく、アミロペクチンだけです。もち米はアミロペクチンの割合が多いので、粘りが強くなります。
日本で食べられるジャポニカ米に対し、南アジアやタイなどで消費されるインディカ米はアミロースの割合が高いので、パサパサした食感になります。
うるち米
粳米(うるちまい)とは普段食べているお米のことで、もち米より粘り気が少ないです。団子などの材料になる上新粉はうるち米を加工したものです。
うるち米の品種には新潟県産のコシヒカリや、宮城県産のひとめぼれ、
もち米
糯米(もちごめ)は、餅や赤飯などに使われるます。白玉の材料になる白玉粉や、和菓子の材料になる寒梅粉はもち米を加工したものです。
もち米の品種には新潟県産のこがねもちや、宮城県産のみやこがねもち、
収穫から玄米、胚芽米、白米ができるまでの流れ
茎からはずすことは脱穀(だっこく)と言います。
籾殻(もみがら)をはずす作業は脱稃(だっぷ)と言いますが、脱稃を含めて脱穀と言うこともあります。
精白と精米の間違い
一般的に使われる「精米」という言葉には、精白と精米の二通りの意味があります。
正確には、精白が玄米を白米にする事で、精白によって出来た白米のことを精米といいます。
精白とは工程のこと
精白とは、玄米の糠層を削り取る工程のことで、精米、精白または搗精(とうせい)と言います。胚芽も一緒に剥がれ落ちます。
精米とは白米のこと
精米とは、糠層を削り取って取り出された胚乳のみの米のことで、精米、精白米または白米という。(胚芽を残して糠層のみを削り取った米は胚芽米と言います。
胚芽米とは玄米と白米の中間
玄米の芽が出てくる部分を胚芽(はいが)と言い、ビタミン、ミネラル等の栄養素がたくさんつまっています。
胚芽だけを残して、種皮や果皮を削ったものを胚芽米(はいがまい)と言います。胚芽の栄養素が取れて、味も白米に近いので食べやすいと思います。
その分、種皮や果皮に含まれる食物繊維やビタミン、ミネラル等は取れません。
赤丸で囲んだ部分が胚芽です。
玄米の未知なる力
広島の原爆症を玄米食で乗切った秋月辰一郎の話など、玄米には汚染物質を体外に出す働きがあるようです。玄米食で病気やアトピーが治ったという話もよく聞きますが、もしかすると、数字には表れない未知なるチカラがあるのかもしれません。