米の品種で人気があって味がおいしいのはコレ!
お米の味は品種によって違います。また、同じ品種でも産地によって変わります。「魚沼産のコシヒカリ」は有名ですが、同じコシヒカリでも九州産と新潟産では味はかなり違います。「硬めのサッパリしたものが好き」「粘りの強い柔らかめが食べたい」など、お米の食味や食感の好みは人それぞれです。
好みで選ぶ人気のお米の味
厳選するときのおススメは産地と品種の基本の味を組み合わせて選ぶ方法です。コシヒカリの味は、硬さは標準的で粘りは強めですが、産地によっては、ひとめぼれよりも粘りが弱くなり、硬さも柔らかい食感になります。
- 【第1位】コシヒカリ
作付割合は36.4%で、全国的に作られています。北海道と沖縄県では作っていません。
味は、硬さが標準的からやや硬めで、粘りは強めです。粒がしっかりしているので見た目も良く、香り食味ともに全国で評価されています。少し硬めで粘り気のあるご飯が好きな方にお勧めです。 - 【第2位】ひとめぼれ
作付割合は9.7%で、東北地方を中心に作られています。
味は、硬さがやや柔らかめから柔らかめで、粘りは強めです。見た目はツヤがありきれいな白い色が引き立ちます。もっちりした食感と香りが最高です。柔らかめで粘りが強いご飯が好きな方にお勧めです。 - 【第3位】ヒノヒカリ
作付割合は9.2%で、九州を中心に中国地方、四国地方、近畿地方など、西日本で作られています。
味は、硬さがやや硬めから硬めで、粘りはやや強めです。お米の一粒一粒がしっかりとしています。粒の舌触りと香りの良さで愛食されています。硬めでサッパリしたご飯が好きな方にお勧めです。
全国の作付割合上位10品種
作付け面積1位のコシヒカリは1956年に福井県で誕生しました。甘みが強く、冷めてもおいしいことから多くの人に好まれ、日本各地で生産されるようになりました。
その後、「ひとめぼれ」「あきたこまち」「はえぬき」など新しい品種が登場し、地域の気候に合わせた栽培でより良い品質のものが作られるようになりました。
近年も、全国各地から個性豊かな新品種が次々と登場し、ご当地米として注目を集めています。
作付け(さくつけ・さくづけ)とは
作付け(さくつけ・さくづけ)とは、作物を植え付けることです。収穫量は天気や病害虫の影響によって変化するので、植えた量と収穫量は必ずしも同じにはなりません。ここでは、田んぼに稲を植えることを指します。
耕地に作物を植付けること。連作すると次第に病虫害が多く発生し,生育も不良となって,収量は減少し,品質も劣ってくる (水稲の場合は例外) 。
稲を植えたけど、カビが原因の稲の病気(いもち病)が発生したり、台風などの災害が起きたりするので、作付けした分がそのまま収穫量にはなりません。
平成30年産うるち米(醸造用米、もち米を除く)作付割合の数値
品種名 | 作付割合 | 主な産地 | |
1位 | コシヒカリ | 36.4% | 新潟県、茨城県、栃木県 |
2位 | ひとめぼれ | 9.7% | 宮城県、岩手県、福島県 |
3位 | ヒノヒカリ | 9.2% | 熊本県、大分県、鹿児島県 |
4位 | あきたこまち | 6.8% | 秋田県、岩手県、茨城県 |
5位 | ななつぼし | 3.4% | 北海道 |
6位 | はえぬき | 2.8% | 山形県、香川県、秋田県 |
7位 | キヌヒカリ | 2.2% | 滋賀県、兵庫県、埼玉県 |
8位 | まっしぐら | 2.0% | 青森県 |
9位 | あさひの夢 | 1.6% | 栃木県、群馬県 |
10位 | ゆめぴりか | 1.5% | 新潟県 |
上位10品種計 | 75.6% |
米穀安定供給確保支援機構「品種別作付動向 平成30年産水稲の品種別作付動向について」より
好みや料理に相性の良いお米
朝ごはん&和食は粘りを控えた硬めでさっぱりしたもの、夕ごはん&洋食は粘りが強いもっちりした柔らかめで食べ応えのあるもの、どちらにも合うオールマイティな品種に分けました。
あっさりおいしい! | 何にでも合う! | 食べごたえ満点! |
朝ごはん&和食向き | オールマイティ | 夕ごはん&洋食向き |
風さやか(長野県) | ふくまる(茨城県) | ゆめぴりか(北海道) |
つぶぞろい(秋田県) | さがびより(佐賀県) | きたくりん(北海道) |
秋のきらめき(秋田県) | つや姫(山形県) | 天のつぶ(福岡県) |
東北194号(宮城県) | 一番星(茨城県) | 元気つくし(福岡県) |
青天の霹靂(青森県) | おいでまい(香川県) |
変わり種の用途別品種
カレーライス向き | チャーハン・ピラフ向き | おにぎり向き |
ホシユタカ(佐賀県) | 華麗舞(茨城県) | いのちの壱(岐阜県) |
米戦国時代到来!お米の新品種(作付け上位品種)
平成30年(2018年)に米について国の減反政策(生産調整を行うための農業政策)が廃止になりました。今後は県と地域の農業再生協議会が生産量の目安を示すことになります。最も重要なのは、気候の温暖化に備えるため、暑さに強い品種のお米が求められます。コシヒカリは高温に弱いため、新しい品種のお米が続々と誕生しています。
代表的な新品種は以下
- 金色の風(岩手県)
- 銀河のしずく(岩手県)
- だて正夢(宮城県)
- 里山のつぶ(福島県)
- 新之助(新潟県)
- 雪若丸(山形県)
- 富富富(富山県)
- ひゃくまん穀(石川県)
- 越南291号(福井県)
- 恋の予感(広島県)
- くまさんの輝き(熊本県)
特徴としては新之助やひゃくまん穀、里山のつぶなどは大粒、だて正夢の低アミロースなどがあります。30年産計画で3,000トンから10,000トンですが、32年産計画では30,000トンと、今後はますます生産量が増える見通しです。
都道府県別の米の作付品種と収穫量
産地 | 品種 | 収穫量(トン) |
北海道 | ななつぼし・ゆめぴりか・きらら397 | 597,200t |
青森 | まっしぐら・つがるロマン・青天の霹靂(せいてんのへきれき) | 257,400t |
岩手 | ひとめぼれ・あきたこまち・いわてっこ | 287,700t |
宮城 | ひとめぼれ・つや姫・ササニシキ | 379,600t |
秋田 | あきたこまち・めんこいな・ひとめぼれ | 453,000 |
山形 | はえぬき・つや姫・ひとめぼれ | 380,700t |
福島 | コシヒカリ・ひとめぼれ・天のつぶ | 350,600t |
茨城 | コシヒカリ・あきたこまち・あさひの夢 | 396,200t |
栃木 | コシヒカリ・あさひの夢・とちぎの星 | 313,700t |
群馬 | あさひの夢・コシヒカリ・ひとめぼれ | 79,500t |
埼玉 | コシヒカリ・彩のかがやき・彩のきずな | 169,800t |
千葉 | コシヒカリ・ふさこがね・ふさおとめ | 325,300t |
東京 | キヌヒカリ・コシヒカリ | 661t |
神奈川 | キヌヒカリ・はるみ・さとじまん | 15,700t |
新潟 | コシヒカリ・こしいぶき・ゆきん子舞 | 576,000t |
富山 | コシヒカリ・てんたかく・てんこもり | 193,100t |
石川 | コシヒカリ・ゆめみづほ・ひゃくまん穀 | 123,400t |
福井 | コシヒカリ・ハナエチゼン・あきさかり | 126,000t |
山梨 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・あさひの夢 | 27,600t |
長野 | コシヒカリ・あきたこまち・風さやか | 195,800t |
岐阜 | ハツシモ・コシヒカリ・あさひの夢 | 113,300t |
静岡 | コシヒカリ・きぬむすめ・あいちのかおり | 85,300t |
愛知 | あいちのかおり・コシヒカリ・ミネアサヒ | 143,100t |
三重 | コシヒカリ・キヌヒカリ・あきたこまち | 141,900t |
滋賀 | コシヒカリ・キヌヒカリ・日本晴 | 157,100t |
京都 | コシヒカリ・キヌヒカリ・ヒノヒカリ | 75,500t |
大阪 | ヒノヒカリ・キヌヒカリ・きぬむすめ | 27,400t |
兵庫 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・キヌヒカリ | 177,800t |
奈良 | ヒノヒカリ・ひとめぼれ・コシヒカリ | 46,500t |
和歌山 | キヌヒカリ・きぬむすめ・コシヒカリ | 35,600t |
鳥取 | コシヒカリ・きぬむすめ・ひとめぼれ | 64,700t |
島根 | コシヒカリ・きぬむすめ・つや姫 | 91,500t |
岡山 | アケボノ・あきたこまち・コシヒカリ | 153,300t |
広島 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・あきさかり | 123,300t |
山口 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・ひとめぼれ | 103,800t |
徳島 | コシヒカリ・キヌヒカリ・あきさかり | 57,900t |
香川 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・おいでまい | 66,500t |
愛媛 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・あきたこまち | 73,000t |
高知 | コシヒカリ・ヒノヒカリ・にこまる | 55,600t |
福岡 | 夢つくし・ヒノヒカリ・元気つくし | 176,400t |
佐賀 | 夢しずく・ヒノヒカリ・さがびより | 121,400t |
長崎 | ヒノヒカリ・にこまる・コシヒカリ | 61,100t |
熊本 | ヒノヒカリ・森のくまさん・コシヒカリ | 180,500t |
大分 | ヒノヒカリ・ひとめぼれ・コシヒカリ | 111,000t |
宮崎 | ヒノヒカリ・コシヒカリ・おてんとそだち | 84,600t |
鹿児島 | ヒノヒカリ・コシヒカリ・あきほなみ | 102,300t |
沖 縄 | ひとめぼれ・ちゅらひかり・ミルキーサマー | 2,240 |
お米の産地と味で気付いたこと
お米の粘り気はアミロースとアミロペクチンの割合によって決まります。穂が出てから収穫までの期間(登熟期間)に、気温が低いとアミロース含有量が高くなる傾向があります。全国で生産されているコシヒカリも、産地によって味が違います。寒い地域と暑い地域とでは、好きなお米も同じものにはならず、品種の人気に差が出てくるのではないでしょうか。